芸能座研究生のころから何度も訪れているこの町の佇まいにはひかれる。あ、今年はじめてなので
明けましておめでとうございます。 さすがに雪国。シバレルってこういうことか?初めての旅公演の時、わんこ蕎麦をスタッフと競争して食べて(87杯)動けなくなり、楽屋で先輩方にしこたまおこられた。 市内の川端にあったその蕎麦屋は今はもうない。 宿は昔から馴染みの北ホテル。決して高級ではないけれど、気配りが行き届いていて、落ち着ける。 一階に「織物工芸」「南部鉄器」「漆工芸」など質の高い、そして品の良い品々を揃える「北の光源社」がある。 陽が落ちる頃、旧市街の雑貨屋「胡座九」を訪ねたがもう閉店していた。ここは藁靴、蓑、竹箒、カンジキなどなど民芸品としてではなく日用品として扱っている。 ブラリ散策していたら東(あずま)家本店を見つけた。北ホテルのそばにも支店があるけれど、本店は風格がちがう。ざるも良いけど寒いので、ニシン蕎麦。旨い〓。 壁には文人墨客の色紙の数々。ん? 小沢昭一、永六輔、桂米朝、矢野誠一…ははあ、たぶんこれは盛岡でやなぎ句会をやった時のものだな。 どの色紙もきちんと額に納められている。宿に向かったがまた町をぶらぶら。寒くなってきたので、また東家本店に戻り、こんどは蕎麦がきを注文。旨い〓。 閉店なので、いよいよ宿に向かった。が、川端に古い小さな喫茶店を発見。「fukakusa」テーブルにはキャンドルが灯る。外は雪。 #
by kyorakuza
| 2012-01-26 11:55
弘前駅に着くのが閉店時間を過ぎそうだったのでお店に電話したら、開けて待っててくださるとのこと。弘前駅からタクシーに飛び乗って6時20分に到着。久しぶりの高砂は以前と変わらぬ佇まい。さすがに暖簾は取り込んであったものの、市の建物指定を受けたどっしりした門構えに玄関までの石畳。庭には雪が降り積もっていた。 僕のためにまだストーブがおこしてある。 奮発して天ざる大盛を注文した。
初めてこの店を訪れたのはもう30年以上前。芸能座の旅の時だった。その頃、蕎麦好きの小沢昭一さんと全国蕎麦屋ランキングを作っていた。芝居の旅は各地をまわるし、何より土地土地の美味しいものに出会えるのが楽しい。で、その評価の仕方は味は無論、その店の雰囲気が一番だった。例えばおかみさんの笑顔、割烹着の白さ、挨拶の気持ち良さ、清潔さ、芸能人の色紙を飾っていない…等々。かなりうるさいのです。 高砂はそのうるさい小沢さんのお眼鏡にかなっていつもトップクラスの評価だった。 今日は閉店時間を過ぎてやってきた僕が勘定をすませて帰ろうとすると、おかみさんは外まで出てきて僕がタクシーに乗り込むまで見送ってくれた。 俳優は接客業でもある。高砂はいつもその事を僕に教えてくれます。 大正二年創業の弘前高砂は来年百周年とか。弘前には他にもまた行ってみたいところがいくつもある。歓楽街のひょいと入った古い小さな喫茶店の水出しコーヒーは絶品。駅前の津軽三味線のライブハウス『山唄』は今日は日曜日の夜だから客より出演者のほうが多い。ちなみに客は3人、出演者6人。 その出演者の面々がお酒を出したり料理を出したりしているのだが、ステージがはじまるとガラリと変わってプロの腕を存分に楽しませてくれる。民謡酒場のこれがメイン。若手はここで修業する。良いライブだった。外は雪が舞っていたが、心はホコホコで宿に帰る。 #
by kyorakuza
| 2011-12-12 00:45
今、奥羽本線車中。当然、外は雪。
弘前に着いたら、高砂の蕎麦を食べたい。でも、今日は日曜日だしもう外は暗いし開いてるかな? 以前、小沢昭一さんと全国蕎麦屋ランキングをしていた。芝居の旅は各地を巡るけど一番の楽しみは食事。蕎麦好きの二人の評価基準は…あ、弘前に着いた…また、のちほど。 #
by kyorakuza
| 2011-12-11 18:34
昨夜、と言ってもほんの数時間前、宇野誠一郎先生を偲ぶ会が帝国ホテルで開かれた。
宇野先生は、井上ひさし先生の芝居のほとんどの音楽を作ってこられた。が、今年5月にお亡くなりになった。享年84。 先生の作品でいちばんポピュラーな曲はなんといっても『ひょっこりひょうたん島』のテーマ曲だろう。僕は小学校の高学年のころから中学生にかけて毎日のように見ていた。井上・宇野のコンビはもうその頃からなのだ。宇野先生は別に何処の音楽大学を出たわけでもなく、師事する先生を見つけては勉強されたらしい。 前述の曲ばかりかぼくらが子供の頃歌った曲のいくつかは先生の作曲だった。『ムーミン』『鉄人28号』『チロリン村とクルミの木』等々。 僕が芝居の世界に入って間もなくの頃井上ひさし作『しみじみ日本・乃木大将』で宇野先生に出会った。井上作品にはラジオも入れると9作出させていただいたが初舞台の『浅草キヨシ伝』(井上ひさし作、小沢昭一演出)を除くと毎回音楽は宇野先生だった。 昨年は井上ひさし先生が逝かれ、あとを追うように宇野先生がおなくなりになった。 それにしても宇野先生の偲ぶ会は賑やかだ。バンドが入って宇野先生作曲の演奏が続きやがて、フィナーレは『ひょっこりひょうたん島』の合唱なのだが、なんとオリジナルメンバーなのだ。主題歌を歌った女性は当時12歳だったとか。当然元気。トラヒゲの熊倉一雄さん。黒柳徹子さん、それに里見京子さん。里見さんは宇野先生のおつれあい。 久しぶりに懐かしい声を聞いた。しかも生で、目の前で。 一昨年、こまつ座から宇野先生作曲の舞台音楽の入ったCDが送られてきた。 こまつ座公演『日本人のへそ』で歌っている僕の声もそこにあった。 #
by kyorakuza
| 2011-11-29 02:58
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